原書7巻「Harry Potter and the Deathly Hallows」(ハリー・ポッターと死の秘宝)第18章までの感想スレッド。
7巻第18章までについてコメント可です。
※百味ビーンズの感想に含まれるタイトル和訳及び内容の解釈は百味ビーンズ独自のものですので、間違っている可能性もあります。ご了承ください。
■第18章 The Life and Lies of Albus Dumbledore(アルバス・ダンブルドアの一生と嘘)
ダンブルドアが何も教えていってくれず、こちらには何の情報も、グリフィンドールの剣もなく、頼りにしていた杖さえも失ってしまったのに、泥棒の写真を落としてきてしまった事でヴォルデモートには必要な情報を与えてしまったとハリーは苦しむ。既にこの旅で胸と腕に負傷したし、これまでも沢山負傷して来たけど今回ほど致命的な事はなかったと、特に杖は失ってみてどれだけ頼りにしていたか気付き、相当精神的ダメージを受けてるようです。
兄弟羽根の守りだけでなく、ヴォルに襲われた時、ハリーが魔法を使わなくても勝手にコンパスの針のように回転して、敵に金色の炎を放ってくれた不思議なハリーの杖は本当に修復できないのでしょうか・・・。
まるでハリーが自分の杖を使って攻撃してくるんじゃと思ってるかのようにビクビクしてるハーマイオニーが泣きながら「まだ私の事すごく怒ってるでしょ?」と聞くと、怒りや不安で動揺してるハリーも、彼女の事は傷付けたくないので「そんな事ないよ。事故だってわかってるし、君は助けようとしてくれたんだ。君がいなかったら僕は死んでた。」と笑顔を返します。
ハリーの杖が壊れちゃったのだって彼女のせいじゃないのに・・・。ケガはしてないけど、この旅でとても精神的に辛い目にあいつつも頑張ってるハーちゃんがけな気で涙が出ます(:_;)
ハーちゃんはバチルダの家から取材のお礼にリータが送ってきてた「アルバス・ダンブルドアの人生と嘘」の本を持ってきたようです。ダンブルドアとあの泥棒の若者が一緒に写ってる写真の注釈には、母の死後まもないダンブルドアと友人のゲラート・グリンデルバルドとあります!グレゴロヴィッチから何かを盗んだのはグリンデルバルド?!しかも闇の魔法使いグリンデルバルドがダンブルドアの友人?!
2人はグリンデルバルドの名を探して「The Greater Good」という章を読みます。リータはベリタセラム(真実薬)でバチルダにダンブルドア家の秘密を話させたようです。そんなの合法なのか・・・。
「18歳の誕生日を迎え、数々の輝く栄誉と共にホグワーツを卒業したアルバスは、エルファイアス・ドージと旅に出ようと漏れ鍋に泊まっていた時、母の死の知らせを受取る。ドージは母ケンドラの死は悲劇の事故で、アルバスが旅を取りやめたのは気高い自己犠牲だと言うが、彼は残された家族の面倒をみたかと言えば、変人の弟アバーフォースと一緒にいる所も見られなかったし、ドージが病弱だという妹のアリアナを監禁し続けた。アルバスを賞賛する者達が信じる、彼の闇の魔術に対する憎しみ、マグル擁護、家族への献身的愛情にさえ疑問を投げかける事がある。
彼が孤児として、世帯主としてゴドリックの谷に戻った夏、バチルダは後にヴォルデモートが現れるまで最も危険な闇の魔法使いとして有名になる甥のゲラート・グリンデルバルドを家に滞在させていていた。彼は闇の魔術に寛容な事で知られるダームストラングで教育を受け、ダンブルドアと同じ位早熟で才能に溢れていたが、栄誉を受ける事よりむしろ別の事に力を注ぎ、16歳になると、ダームストラングすら彼のゆがんだ実験を黙認できなくなり、退学させた。そして彼が叔母の家に来ると、驚くべき事にアルバスと深い友情を築いた。何か思いつくとすぐに知らせるためにフクロウ便までやりとりしていたほどだ。その考えとは何か、アルバスがゲラートにあてた手紙が残っている。
『ゲラート、魔法使いが支配する事がマグル自身のためにも良いという君の考えは重大な点だと思う。確かに僕らは力を与えられており、力は支配する権利を与えているが、支配されるものへの責任も与えている。この点を強調しなければならない、僕らが築くものの礎となるだろう。実行して反対された時、反論する土台となるはずだ。我々は、The Greater Goodのため(より優れた者、つまり魔法使いの利益のためという事だと思われます。)支配を奪う。そして抵抗を受けたら、必要な場合しか力を使わない。この点が君がダームストラングで犯した間違いだが、退学にならなければ出会えなかったのだから文句は言わない。アルバス』
驚くべき事に、アルバスはかって体制をくつがえし魔法使いがマグルを支配する事を夢見ていたのだ。かろうじて2ヶ月後に2人は別れ、伝説的な決闘まで二度と会う事は無かった。何がこの不意の決裂を招いたのか。アルバスが我にかえったのか?いや、バチルダは言う。
『妹のアリアナが死んだからだわ。ゲラートはその時彼らの家にいて、非常に取り乱して私の家に戻ると翌日家に帰りたいと言ったのでポートキーを準備してやり、それが彼に会った最後だった。2人で残された兄弟はひどい状態で、アバーフォースがアルバスのせいにして葬儀の時に鼻をへし折ったなんて、娘の遺体の前で息子達がこんな風に争うなどケンドラは耐えられなかったでしょう。残念な事にゲラートは葬儀に出席できなった、少なくともアルバスを慰められたろうに。』
アリアナはなぜ死んだのか?優れた者の利益のために死んだ最初の犠牲者なのか?」
重要な内容なのに解釈に自信が無いですが、リータの個人的見解はさて置いても、手紙は本物な訳ですよね。ダンブルドアがこんな差別的で危険な意味の野心的な考えを持っていたなんて信じられないです!
読み終えたハリーの表情を見て心配したハーちゃんが「ハリー」と何か言いかけるけど、ハリーはただ頭を振る。ロンが去ってしまった時と同じく、彼の中の確信が崩れ去ってしまった。善良さと英知の化身としてダンブルドアを信頼してきたのに。ロン、ダンブルドア、不死鳥の杖、これ以上失うものがあるだろうか・・・。
ダンブルドアへの信頼が揺らぐような文章を読んで2人は熱くなります。「これはリータが書いたものだって忘れないで。手紙は事実だろうし、優れた者の利益のためというのはグリンデルバルドが後の残虐行為を正当化するスローガンとなって、ダンブルドアがそのアイデアを与えたなんて恐ろしい事だけど、ダンブルドアはグリンデルバルドを捕まえて刑務所に入れたし、夏の数ヶ月知り合いだっただけでとても若かったんだし・・・」「そう言うと思った。若いって今の僕らと同じ歳だよ。僕らは命をかけて闇の魔術と戦ってるのに彼は親友とマグルを支配する計画を相談してたんだ。」「ダンブルドアの書いた事をかばってなんかないわ。でもお母さんが亡くなったばかりで孤独だったのよ。」「弟も監禁してたスクイブの妹もいたじゃないか。」「信じないわ。その女の子の何が悪かったのだとしてもスクイブだとは思わない。ダンブルドアはそんな人じゃないわ。」「僕らの知ってたダンブルドアはマグルを力で支配したがったりしなかった!」「彼は変わったのよ!17歳の時にはそんな考えを信じてたのだとしても、残りの全ての人生をかけて闇の魔術と戦ったのよ!ダンブルドアはグリンデルバルドを倒し、マグルやマグル出身者の権利を守り、死ぬまで例のあの人と戦ったのよ!ハリーごめんなさい。でもあなたが本当に怒ってるのはダンブルドアが自ら話してくれなかったからでしょ。」「そうかもしれないさ!彼は僕に何度も命をかけさせ、自分は信用せず何も説明しなくても盲目的に信じろと要求してるんだ。」
「・・・彼はあなたを愛してたわ。私彼があなたを愛してたのを知ってるわ。」「彼が誰を愛してたか知らないけど、僕じゃない。彼の残したものは愛なんかじゃない。彼は僕とは共有しなかった本当の考えをグリンデルバルドとは共有してたんだ。お茶をありがとう。もう見張りは終えたから戻っていいよ。」
ハーちゃんはこれ以上話しあうのは諦めるけど、テントの中に戻りながら片手でハリーの頭を軽くなでて行きます。ハリーは目を閉じて、ハーちゃんの言った事が正しいと、ダンブルドアが本当に思ってくれていたと願ってる自分に嫌悪感を感じます。
この頭をなでて行くハーちゃん、口では何と言ってても認めたくなくてもハリーが本当はどう思いたがっているのかを分かってるかのようですね。
父パーシバルがマグルを攻撃してアズカバンで亡くなった事、アリアナは本当にスクイブだった事を恥じて監禁されてたのか、母ケンドラと妹アリアナの死の謎、アバーフォースはなぜダンブルドアのせいにしたのか、そしてグリンデルバルドとの友情。ダンブルドアとその家族にはとても複雑な事情がありそうです。でも私も信じたいダンブルドアを・・・。
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