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Harry Potter Cafe

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ハリー・ポッターシリーズの各作品について自由に語り合うCafeです♪
                    by百味ビーンズ

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原書7巻/死の秘宝 第33章

2007/10/19(Fri)12:10

原書7巻「Harry Potter and the Deathly Hallows」(ハリー・ポッターと死の秘宝)第33章までの感想スレッド。
7巻第33章までについてコメント可です。

※百味ビーンズの感想に含まれるタイトル和訳及び内容の解釈は百味ビーンズ独自のものですので、間違っている可能性もあります。ご了承ください。

10/25UpDate

■第33章 The Prince's Tale(プリンスの話)
すごい章です。これまでハリポタファンに物議をかもしてきた多くの謎の答えが明らかになります。心してお読みください。
ハリーはスネイプの傍らに跪き見つめ続けていたが、突然甲高く冷たい声がはっきり聞こえ、ヴォルデモートが戻ってきたのかと飛び上がったが、ヴォルはホグズミードやホグワーツ城など一帯で戦う全ての者に向って話しているのだと気付いた。
「お前達は勇敢に戦った。ヴォルデモート卿は勇敢さをどう評価すべきか知っている。だか逆らい続けるならお前達は1人残らず死ぬ事になる。そんな事は望んでいない。流される魔法族の血は全て損失であり浪費だ。ヴォルデモート卿は慈悲深い。直ちに我が軍を退去させる。お前達に残された時間は1時間だ。死者に尊厳ある処置をし、負傷者を手当てしろ。ハリー・ポッター、今度はお前に直接言い渡す。自ら俺様のもとに参じれば、友人達は死を免れる。俺様は禁じられた森で待つ。1時間以内に来なければ、戦いは再開し、俺様自ら戦いに赴きお前をみつける。阻む者は女子供に関わらず1人残らず始末する。1時間だ。」
ロンもハーマイオニーも取り乱して頭を振る。「やつの言う事なんか聞くな。」「大丈夫よ、城に戻りましょう。森へ行ったのなら新しい計画を考えなくちゃ・・・」スネイプを見下ろし、彼が殺された手段と理由にショックを受けている事以外何を感じてるのかも分からずハリーは2人に続いて部屋を後にした。頭の中ではヴォルの言葉がこだましていた。
城は静まりかえり、大広間へ行くと負傷者がマダムポンフリー達に手当てされ、死者は横たえられていた。フレッドの遺体は家族に取り囲まれて見えなかった。ジョージは顔の側に跪き、おばさんは胸元に横たわって体を震わせ、おじさんは彼女の髪をなでながら涙を流していた。一言も発さずにハーちゃんはジニーに歩み寄って抱きしめ、ロンはビル、フラー、パーシーに加わり肩を抱き合った。そしてハリーはフレッドの隣に横たわり、青ざめていても眠っているように安らかな顔をしたリーマスとトンクスの遺体を目にした。ハリーは息もできず、これ以上自分のために死んでしまった人達を見る事に耐えられず後ずさりした。ウィーズリー一家に加わる事も、彼らの目を見る事もできない。最初に自分の身柄を引き渡していればフレッドは死なずに済んだかもしれないのだ・・・。ハリーは向きを変え階段を駆け上った。ルーピン、トンクス・・・何も感じたくなかった・・・自分の心臓も内臓ももぎ取ってしまいたい、彼の中の全てが悲鳴をあげていた・・・。最後は2人で共に戦い散って行ったのですね;ルーピン夫妻の死もショックながら、自分を責めるハリーの苦しみが痛ましくてなりません。彼のせいじゃないのに・・・。
ハリーはスネイプの最後の考えが入ったフラスコを握りしめ、校長室まで走り続ける。合言葉を聞かれ、何も考えずに「ダンブルドア!」と誰より会いたい人の名を叫ぶと、階段が現れた。校長室の歴代の校長の肖像画には逃げてしまったように誰もいない。ハリーはペンシーブを取り出して、スネイプの記憶を注ぎ込んで飛び込む。
9歳か10歳くらいのスネイプがリリーとペチュニアがブランコに乗って遊んでいるのを茂みから覗いている。リリーはブランコから飛び立って舞い降りて見せたり、手の平で摘んだ花を咲かせたりしていて、ペチュニアは「ママがそんな事しちゃダメって言ったでしょ!」と怒っているが明らかに彼女の不思議な力が羨ましい様子で「どうやったの?」と言うと「明白だろ?」と堪えきれずにスネイプが姿を現す。スネイプはリリーを見ると赤くなり、彼女が魔女である事を教える。スネイプはリリーが魔女だと気付いていつか知らせたいとずっと見張っていたのだった。最初は気分を害したリリーも、スネイプから魔法界の事を色々教えてもらって仲良くなる。君はマグル生まれだからフクロウ便ではなく誰かが来て両親に説明するだろうと聞かされ、リリーがマグル生まれだと何か違うの?と尋ねるとスネイプは躊躇しつつも、いや違いは無いと答え、良かったと安堵するリリー。スネイプの両親はケンカが絶えない模様。「あなたのパパは魔法が嫌いなの?」「何もかもが嫌いなんだ。」「セブルス?」スネイプはリリーに名前を呼ばれると少し微笑み、ディメンターの事を心配するリリーにアズカバンの看守だから学校の外で魔法を使ってもやってきたりしないよと説明する。ところが彼らの会話を盗み聞きしていたペチュニアが現れ、いつもおかしな服を着せられてるスネイプを侮辱したのでかっとなって彼女の頭上の枝を落としてしまい、枝が肩に当たったペチュニアは泣き出して走り去り、彼女を傷付けるなんて!とリリーも怒って行ってしまう。
続いて、9と4分の3番線でスネイプは両親と少し離れて話してるリリーとペチュニアを見てる。「ごめんね、チューニィ、本当にごめんなさい!聞いて、あそこに着いたらダンブルドア校長に考えなおしてくれるよう説得するわ!」「私は行きたくなんかないわ!私がばかげた城で学んで・・・化け物になりたがってるとでも思うの?」ペチュニアに手を振り払われたリリーの目には涙があふれる。「私は化け物なんかじゃないわ。なんて恐ろしい事を言うの。」「それがあなたの行く先よ。化け物のための特別な学校。あなたとあの変わり者のスネイプ・・・それがあなた達よ。あたな達が普通の人々から離れるのは彼らの安全のために良い事だわ。」「校長先生に入学させてくれるよう懇願した手紙を書いた時は化け物の学校だなんて思ってなかったでしょう?」ペチュニアは真っ赤になって怒る。「懇願?そんな事してないわ!」「彼の返事を見たわ。とても親切だった。」「あなたは読んじゃいけなかったのに。私の個人的な物を・・・どうやって?あいつがみつけたのね!あなたとあの男の子は私の部屋に忍び込んだんだわ!」「いいえ・・・忍び込んだりしてないわ・・・スネイプは封筒を見て、マグルがホグワーツと接触できるなんて信じられなかったの、それだけなのよ!」「どうやら魔法使いはどこにでも鼻を突っ込むのね!この化け物!」ペチュニアは妹を平手打ちして両親のもとへ走り去った。
続いて、ホグワーツ特急のコンパートメントで泣いているリリーの向かいに座るスネイプ。「あなたと話したくない。」「どうして?」「チューニィは私を・・・憎んでる。私達がダンブルドアからの手紙を見たからよ。」「だから?」「彼女は私の姉なのよ!」「彼女はただ・・・でも僕らは行くんだ!ホグワーツに出発したんだ!」浮き浮きした気分を隠せないスネイプ。彼女は頷き、涙をぬぐって少し微笑んだ。少しほっとしてスネイプが「スリザリンに入れるといいね。」と言うと、「スリザリン?」とそれまで2人に全く関心を示さなかった同室の男の子が言い、ハリーは父親がいる事に気付いた。「誰がスリザリンなんかに入りたいんだ?俺だったら辞めるな、そうだろ?」ジェームズは向かいのシリウスに話し掛ける。「俺の家族は皆スリザリンだ。」「驚いたな、君はまともに見えたのに!」「俺は伝統を破るかもしれない。選べるならどこに行きたいんだ?」「『勇者が住まうグリフィンドール!』父さんのようにね。」スネイプが非難の音をたてるとジェームズは向き直った。「何か問題あるか?」「いや、君が賢いよりむしろ屈強ならな・・・」「君はどちらでもないようだが、どこへ行きたいんだ。」シリウスが言葉をはさみジェームズは笑い出す。
リリーは立ち上がり、嫌悪の表情でジェームズとシリウスを見ると言った。「行きましょう、セブルス。他のコンパートメントを探しましょう。」彼女の声真似をしたりスネイプを躓かせようとしたりしてからかうジェームスとシリウス。「じゃあな、スニベルス!」
続いて、大広間の組分けの儀式でリリーが呼ばれグリフィンドールに選ばれると、ハリーはスネイプが呻き声をあげるのを聞いた。リリーは寮のテーブルに歓迎されたが、スネイプをちらりと見ると悲しそうに小さく微笑んだ。シリウスが彼女のために場所をあけたが、彼女は誰だが気付くと腕組みして背を向けた。ルーピン、ペティグリュー、ジェームズもグリフィンドールに選ばれ、スネイプはスリザリンに選ばれて監督生バッチをつけたルシウスに歓迎された。
続いて、城の中庭を歩きながら言い争うリリーとスネイプ。背が高くなって組分けから数年が過ぎたようだ。「・・・僕らが友達になれると思うのか?親友に?」「そうよ、セブ。でもあなたが付き合ってる仲間は好きになれないわ!悪いけどアベリーとマルシベールは大嫌いよ!身の毛もよだつわ!マリー・マクドナルドに何をしようとしたか知らないの?」「あれは何でもないよ。全部冗談さ・・・」「あれは闇の魔術よ。それが面白いと思うなら・・・」「ポッターとその仲間がやってる事はどうなんだ?夜中に抜け出してる。ルーピンは何かおかしい。いつもどこに行ってるんだ?」「彼は病気なのよ。彼らはそう言ってるわ・・・」「毎月満月の夜に?」「あなたの仮説は分かってるわ。でもなぜ彼らの事が頭を離れないの?なぜ彼らが夜何をやってるか気にするの?」「皆が思ってるほどすばらしい連中じゃないと君に教えたいだけさ。」あまりに熱心にみつめられて彼女は顔を赤らめた。「でも彼らは闇の魔術は使わない。そしてあなたは恩知らずだわ。夜中に暴れ柳の中のトンネルに忍び込んで、ジェームズ・ポッターがあなたを助けたと聞いたわよ・・・」「助けただと?彼を英雄だとでも思ってるのか?やつは自分と友人の首を救っただけだ!僕は・・・」「何よ!」「そんなつもりじゃ・・・君が笑い者にされるのを見たくないだけだ、やつは君を、ジェームズ・ポッターは君が好きなんだ!そして彼は・・・皆が思うような・・・クイディッチの英雄なんかじゃない・・・」「ジェームズ・ポッターが傲慢なバカ者だって事は言われなくても分かってるわ。でもアベリーとマルシベールの冗談は単に邪悪よ。セブ、あなたがどうして友達でいられるのか分からないわ。」
続いて、大広間でのOWL試験を終えたスネイプが城を出てジェームズ達が座っている木陰の側を歩いていくのが見えたが、ハリーは近寄らなかった。ジェームズが彼をつるし上げののしった後何が起こるか知っていて、もう聞きたくなかったからだ。リリーがスネイプを守るために割って入り、スネイプが屈辱と激怒のあまり彼女に許されざる言葉「穢れた血」と言ってしまうのを遠くから聞いた。
続いて、夜太ったレディの肖像画の前で「穢れた血」と読んでしまった事をリリーに必死で謝るスネイプ。「遅すぎるわ。何年もあなたを許してきた。友達は誰もなぜ私があなたと話をするのかさえ理解できないわ。あなたとあなたの愛しいデスイーターのお友達、ほらあなたは否定もしないわ!何を目指しているのかさえ!例のあの人に加わるのが待ちきれないんでしょう?これ以上取り繕う事はできないわ。あなたは自分の道を選び、私も自分の道を選んだの。」「違う、聞いてくれ、そんなつもりじゃ・・・」「私を穢れた血と呼んでおいて?私と同じ生まれの人皆をそう呼ぶのに、私だけ何が違うと言うの?」彼女は寮へと消えた。
続いて、大人になったスネイプが丘の上でダンブルドアと対面している。スネイプが前半だけ聞いたトレローニ先生の予言を知らせたためにヴォルがハリーを狙っている事に気付き、リリーも殺されてしまうと恐怖にかられてやってきたのだ。そんなに彼女が大切なら、息子のかわりに母親だけは許してくれとヴォルに頼まなかったのかと聞かれ、スネイプが頼んだと言うと、ダンブルドアは見た事の無いほど軽蔑を示しスネイプは小さくなる。「彼女の夫と子供は死んでも構わんのか?なら何を求めているのじゃ?」「では彼らを皆隠してくれ。彼女の・・・彼らの安全を、お願いします。」「では見返りに何をしてくれるのじゃ、セブルス?」「見返り?」ハリーは抗議するのだと思ったがスネイプは言った。「どんな事でも。」
続いて、校長室。厳しい表情で立っているダンブルドアの前でイスに座り込むやつれたスネイプ。「あなたは・・・彼女を安全に守ってくれると思っていたのに・・・」「彼女とジェームズは誤った人間に信頼を置いてしまったのじゃ。いくぶん君と同じようにな、セブルス。ヴォルデモート卿に彼女は見逃すよう頼まなかったか?彼女の息子は生き延びた。彼女の息子は生きているのじゃ。彼は彼女と全く同じ目をしている。君はリリー・エバンズの目の形や色を覚えていると思うが?」「止めてくれ・・・いってしまった・・・死んでしまった・・・」「それは後悔なのか、セブルス?」「私が死んでいればよかった・・・」「それが誰の役にたつ?リリー・エバンズを愛していたなら、彼女を本当に愛していたなら、君の進むべき道は明確じゃ。君は彼女がいかにして何故死んだか知っている。それを無益なものにするな。私がリリーの息子を守るのを助けるのじゃ。」「彼に守りは必要ない。闇の帝王は去った。」「闇の帝王は戻ってくる。そしてハリー・ポッターは極めて危険な状況にさらされる。」長い沈黙の後、ついにスネイプは言った。「分かった。だがけして、けして口外しないでくれダンブルドア!我々だけの間の事だと誓ってくれ!絶えられない・・・とりわけポッターの息子・・・誓ってくれ!」「君の最善を誰にも明かさないと誓えと言うのかね?君がそう望むなら・・・」
続いて、ハリーは父親のように規則破りで目立ちたがりの生意気な愚か者だとダンブルドアの前を歩き回るスネイプ。「思い込みじゃろう、セブルス。他の先生達は控えめで好ましく才能のある少年だと言っている。個人的には愛嬌のある子供だと思うが。クィレルを監視しているね?」
続いて、Xmasダンスパーティに残ってる人達から離れて玄関ホールにいる2人。「カルカロフの印も濃くなっている。報復を恐れてパニックになっていて印が熱くなったら逃げるつもりだ。」「君もそうしたいのか?」「いや、そんな臆病者ではない。」「君はイゴール・カルカロフなど遠く及ばないほど勇敢な男じゃ。You know, I sometime think we sort too soon...」ここの意味が最初分からなかったのですが、ここで言ってるsortとはSorting Hat のsort、組分けの事でしょうか。組分けを早まり過ぎていると時々思うのじゃ。という意味でしょうか。実は誰より勇敢なスネイプはグリフィンドールに選ばれる素質も十分あったという事なら、組分け帽子も間違える事があるのかしら。もしスネイプがグリフィンドールに選ばれていたら全然違った人生が待っていた事でしょう。でもハリーがスリザリンだけは嫌と自分で思ってグリフィンドールに選ばれたように、スネイプ自身が勇敢であっても闇の力に魅了され選んでしまったのかもしれませんね。心打たれた様子のスネイプを残し歩き去るダンブルドア。
続いて、また夜の校長室。真っ黒に焼け焦げた右手を投げ出し半ば意識を失い弱りきってイスに倒れ込んだダンブルドアを呪文や魔法薬で必死に治療するスネイプ。ダンブルドアが意識を取り戻すと問い詰める。「なぜだ?なぜ指輪をはめてみたりしたのです?呪いがかかっている事に気付いたはずだ。」傷ついたゴーント家の指輪とグリフィンドールの剣が横たわっている。「わしは愚かだった。ひどく魅了されたのじゃ。」「一体何に?」ダンブルドアは答えない。「この指輪にはとてつもなく強力な呪いがかかっている。ここに戻って来れただけで奇跡だ!」「良くやってくれた、セブルス。残された時間はどれ程だと思うかね?」天気を聞くように気軽に尋ねるダンブルドアにためらうスネイプ。「はっきり言えませんが、多分1年程かと。このような呪いを永遠に止める手立ては無い。時と共に強力さを増し遂には広がっていく。」ダンブルドアは自分の余命など全く関心無い様子で微笑む。「わしは非常に幸運じゃ。わしには君がいる、セブルス。」「もう少し早く私を呼んで下さればもっと時間を稼げたものを!指輪を壊した事で呪いも破られたと思われますか?」「そのようじゃ・・・わしは狂乱状態だった、疑いようもない・・・だがこれで事態は容易になった。ヴォルデモート卿が可哀想なマルフォイ家の少年にわしを殺させようとしている計画の事じゃ。」「闇の帝王はドラコが成功するとは期待していない。ただルシウスの失敗を罰するために、ドラコの両親に息子が失敗してつけを払うのを見せつける拷問だ。」「つまりあの少年はわしと同じく死の宣告を受けたわけじゃ。ドラコが失敗すれば当然この仕事を成し遂げるのは君と考えるべきだね?」「・・・それが闇の帝王の計画だと思われます。」「ヴォルデモート卿は近い将来ホグワーツにスパイを置く必要は無くなると見越しているのかね?」「ええ、近いうちに学校は自分の手に落ちると信じています。」「もしそうなったらホグワーツの生徒を全力で守ると誓ってくれるかね?」スネイプは強く頷いた。「よし、では君の最優先事項はドラコが何をしようとしているか知る事だ。十代の少年をおびえさせるのは彼自身と同じくらい他の者にも危険じゃ。助けと手引きを提案するのじゃ、受け入れるだろう、彼は君を好いておる・・・」「父親が支持を失ってからは違います。ルシウスの地位を奪おうとしていると考え私を非難している。」「同じ事だ、試みるのじゃ。あの少年が何を企んでいるにせよ、わしは自分より誤って犠牲になる者が気がかりなのじゃ。結局彼をヴォルデモート卿の復讐から守る手立ては一つじゃ。」「彼にあなたを殺させるおつもりですか?」「もちろん違う。君がわしを殺さねばならん。」長い沈黙の後に「今すぐですか?もしくは墓碑銘でも準備してからですか?」と、皮肉をこめて言うスネイプを説得するダンブルドア。「あなたが死ぬ事を気にしないとしても、なぜドラコにやらせないのです?」「あの少年の魂はそれほど損傷していない。わしのために引き裂くつもりはない。」「では私の魂は?ダンブルドア、私はどうなのです?」「痛みと屈辱から老いぼれを救っても君の魂が傷つく事はないと君だけが知っているからじゃ。ぜひとも聞き入れてくれ、わしの死が迫っている事はチャドリー・キャノンズが今年リーグを最下位で終える事より明確だからじゃ。正直に言えば、例えばグレイバックや、獲物を食べる前に弄ぶのを好む親愛なるベラトリックスに長らく不快な目にあわされるより、素早く苦しまずに死にたいものじゃ。」とうとうスネイプはそっけなく頷く。「ありがとう、セブルス・・・」
続いて、2人は月明かりの中で城の庭を歩いている。「いく晩も閉じこもってポッターと何をしているのです?」「なぜもっと彼に居残りをさせないのじゃ、セブルス?」「彼は父親にそっくりだ。」「外見はそうかもしれん、だが彼の内面の性質はずっと母親に似ておるぞ。わしがハリーと過ごしているのは、彼と話し合い、手遅れになる前に知らせなければならない情報があるからじゃ。」「情報、あなたは彼を信用している・・・私は信用していない。」「信頼の問題ではないのじゃ。お互い分かっているようにわしの時間は限られている。彼が必要な事をするために充分な情報を与える事が欠かせないのじゃ。」「ではなぜ私は同じ情報を得られないのです?」「長らくヴォルデモート卿の手の内で過ごしている者にわしの全ての秘密を与えたくないのじゃ」「あなたの命令でしている事です!」「そして君は非常によくやっておる。君が常に身を置いている危険をわしが過小評価していると思うかね、セブルス?ヴォルデモートに重要な情報は与えずに重要だと見える情報をあたえる仕事をゆだねているのは、誰でもない君だからじゃ。」「だがあなたは、凡庸で閉心術も使えず、闇の帝王の心と直接繋がっている少年をより信頼している!」「ヴォルデモートはその繋がりを恐れておる。ハリーの心を共有する事は経験した事のない苦痛だったのじゃ。二度とハリーにのり移ろうとはしないと確信しておる。その方法ではじゃ。ヴォルデモート卿の魂は損なわれ、ハリーのような魂と密接に繋がっている事に耐えられない。凍った金属に舌をのせたり、炎の中に身を投じるのを同じじゃ・・・」「魂?心について話しているのです!」「ハリーとヴォルデモート卿の場合、一方に語りかける事は他方に語りかける事じゃ。わしを殺した後じゃが、セブルス・・・」「あなたは私に全てを話す事を拒み、なおそのような奉仕を期待するのですか?あなたは大変な取り決めを当然の事と思っている。私は心変わりするかもしれない!」納得しないスネイプに、ダンブルドアは渋々これで君はわしの信頼に不満を言う事は無くなるだろうと、その夜遅く校長室に来るよう告げる。
そして校長室。「ハリーは最後の瞬間まで、必要になるまで知るべきではない。さもなくばどうやって彼がしなければならない事をなしとげる力を得られるのじゃ?」「彼は何をしなければならないのです?」「これはハリーとわしの間の事じゃ。注意して聞いてくれ、セブルス。私の死後、その時が来る・・・議論をさし挟まないでくれ!ヴォルデモート卿がその蛇の命に恐れを示す時が来る。」「ナギニの事を?」「その通りじゃ。ヴォルデモート卿があの蛇に攻撃を命じるのをやめ、自分の傍らにおいて防御を施す時が来たら、その時はハリーに伝えても安全だと思う。」「何を伝えるのです?」ダンブルドアは深いため息をつき、目を閉じた。「ヴォルデモート卿が彼を殺そうとした晩の事を、リリーが自分の命を投げ出し、死の呪いがヴォルデモート卿に跳ね返り、その魂のかけらが体を離れ、崩壊した建物の中で唯一生き残った魂へ接着した事を伝えるのじゃ。ヴォルデモート卿の一部がハリーの中で生きており、そのために蛇と話す事ができ、ヴォルデモート卿の心と繋がっている事を彼は理解していない。そしてヴォルデモートの魂のかけらが、ハリーに付着し守られている限り、ヴォルデモート卿は死ぬ事ができない。」
ハリーは2人を長いトンネルの果てからずっと離れて見ているように思え、彼らの言葉が耳の中で奇妙に響き渡っていた。「ではあの少年は・・・あの少年は死ななければならないのですか?」「そしてヴォルデモート自身が手を下さなければならないのじゃ、セブルス。それが重要なのじゃ。」長い沈黙が訪れた。「私は・・・この長い年月・・・我々は彼を、彼女の為に守って来たのだと思っていた。リリーのために。」「我々が彼を守って来たのは、彼に教え、奮い立たせ、自身の強さを試させる事が重要だったからじゃ。彼らの繋がりは寄生虫のように強力になっていき、時々わしは彼が自分で薄々感づいているのではないかと思った。わしが彼をわかっているならば、彼は準備を整えてきた、だからこそ彼が自らの死に赴く時こそ本当にヴォルデモートが終焉を迎える事を意味する。」ダンブルドアはやっと目をあけ、スネイプはぞっとしていた。「あなたは彼がしかるべき時に死ねるようこれまで彼を生かしてきたのですか?」「驚かないでくれ、セブルス。どれだけ多くの人の死を見てきたのだ。」「近頃は救えなかった人達だけだ。私を利用したのですね。」「どういう意味じゃ?」「私はあなたのためにスパイし、嘘をつき、命にかかわる危険に身を置いてきた。全てはリリー・ポッターの息子の安全のためだ。それが今やあなたは食用に屠殺するためにブタを育てて来たかのような言い草だ・・・」「だが感動的だ、セブルス。ついに君はあの少年の事を思うようになったのかね?」「彼を?」スネイプは叫んだ。「エクスペクト・パトローナム!」銀の雌鹿が現れ、スネイプのもとに戻ってくると彼の目には涙が溢れていた。「ついに今?」「常にです。」スネイプが言った。
続いて、スネイプがダンブルドアの肖像画に向いあっている。「君はヴォルデモートにハリーが叔母さんの家から移動する正確な日付を教えねばなるまい。でなければ君を情報通と信頼しているヴォルデモートが疑念を抱く。だがハリーの安全を確かなものとするため、おとりについては罠をしかけなければ。マンダンガズを使え。そしてセブルス、追跡に加わらねばならなくなったら、納得させるべく自分の役目を演じる事に徹するのだ・・・可能な限りヴォルデモート卿のお気に入りであり続ける事を期待する、さもなくばホグワーツはキャロウ達のなすがままだ・・・」
続いて、スネイプは見かけない居酒屋でうつろな表情のマンダンガスにおとりの作戦を騎士団に提案するよう服従の呪文をかけている。
続いて、スネイプはデスイーター達とハリーに変身したジョージとルーピンを追跡し、デスイーターの1人が進み出てまともにルーピンの背中に杖を掲げるのを見ると「セクタムセンプラ!」と叫んだが、呪文はそれてジョージに当たってしまう。
続いて、シリウスの部屋に跪き、リリーの手紙を読みながら涙を流すスネイプ。手紙の2ページ目にはわずかな事しか書かれていなかった。「ゲラート・グリンデルバルドと友人だったなんて。私個人的には彼女がどうかしてるんだと思うわ!愛をこめてリリー」スネイプは彼女の署名と愛の刻まれたページをローブにしまい、写真を2つに引き裂いてリリーが笑っている部分を取り、ジェームズとハリーが写っている部分は床の引き出しの下に投げ捨てた。
続いて、校長室でフィニアス・ナイジェラスの肖像画がスネイプに訴える。「校長!彼らはディーンの森でキャンプをしてる!あの穢れた血が・・・」「その言葉を使うな!」「あのグレンジャーが、バッグを開けてる時にそう言ったのを聞いたんだ!」「よし、良くやった!」ダンブルドアの肖像画が叫んだ。「さあ、セブルス、剣だ!要求と勇気を条件とするのを忘れるでないぞ・・・そして君がやったと気付かれてはならん。ヴォルデモートがハリーの心を読み、君が彼のために動いていると気付けば・・・」「分かっている。」スネイプはダンブルドアの肖像画の後ろからグリフィンドールの剣を取り出す。「そしてあなたはなぜこの剣をポッターに与える必要があるのか、まだ私に話すつもりが無いのですか?」「ああ、そうじゃ。彼はどうすべきか分かっておる。そしてセブルス、十分注意するのじゃ。ジョージ・ウィーズリーの災難の後君の出現は歓迎されんからのう・・・」「ご心配なく、ダンブルドア。計画があります。」スネイプは冷たく言うと部屋を後にした。
ハリーはペンシーブから出ると、スネイプがドアを閉じたばかりのまさに同じ部屋の床に横たわっていた。
そうだったのかぁ~(≧◇≦)!と連発せずにいられない章です。
ペチュニアおばさんは羨ましいのと過去の屈辱のために魔法を嫌っていたのかぁ~。でも確かに兄弟の誰かだけ魔法が使えたら、そりゃ羨ましいだろうなぁ。そしてダンブルドアが以前手紙をやり取りしましたのう、と言ってたのはこの事だったのかぁ~。
リリーはジェームズ達と知り合う前にスネイプと友達で、スネイプが闇の魔術に魅了されたために決別してしまったけど、彼がこんなにも彼女を愛し続けていたとは!ハリーへの態度の裏にあった心、長年2重スパイの危険と苦悩に身を置いてきた彼の本当の姿が初めて理解できました。トンクスがルーピンを愛した為に守護霊が変化してしまったように、スネイプの守護霊はリリーを愛していたが故に雌鹿だったのですね、ずっと・・・。死の直前に彼がハリーに私を見ろと言ったのはなぜなのか・・・ハリーは父親にそっくりだけど緑の瞳だけは母と同じ・・・スネイプは最後にリリーの瞳を見たかったのです(泣)彼の人生の真実と最後の思いを知ってあのシーンを読むと本当に涙が出ます。スネイプって本当はとてつもなく勇敢で、愛に生きぬいた切ない男だったのですね;
私はスネイプが疑われないよう敗れぬ誓いを立ててしまったために、それを破って死ぬより彼を更にヴォルの懐深く潜り込ませるためにダンブルドアが自分を殺すよう命じたのではと思ってましたが、ダンブルドアは呪いの指輪をはめてしまい既に命の期限が決まってしまっていたとは!ダンブルドアは呪いに気付きながら、なぜ指輪をはめてしまったのか・・・。
そして・・・ファン達が最も恐れていた鋭い仮説、ハリー自身がホークラックスという説は恐るべき事に現実のものでした・・・。跳ね返ったとは言え、死の呪いアバダケダブラは外傷を残さないのが特徴なのに崩壊したポッター家とハリーの額のキズ。心の隅でもしやと思いながらも信じたくなかった仮説でした・・・。でも、それならハリーはヴォルを倒すためには本当に死ななければならないのでしょうか?!そんなの絶対ダメ~!!o(≧◇≦*)o
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