原書7巻「Harry Potter and the Deathly Hallows」(ハリー・ポッターと死の秘宝)第15章までの感想スレッド。
7巻第15章までについてコメント可です。
※百味ビーンズの感想に含まれるタイトル和訳及び内容の解釈は百味ビーンズ独自のものですので、間違っている可能性もあります。ご了承ください。
■第15章 The Goblin's Revenge(ゴブリンの復讐)
翌朝早く起きてテントを出て、十分じゃないけどアンブリッジのドアより好んでくれるだろうとマッドアイの目玉を土に埋め目印の樹に杖で十字架を刻むハリー。精一杯のマッドアイへの弔いですね。
1ヵ所に長く居ない方がいいと痕跡を消して毎日移動し、次は小さなマーケットのある町の郊外へ。ハリーが透明マントで食料を探しに行き、ディメンターがいたのになぜか守護霊を出せず手ぶらで戻ると、ロンはイスを蹴ったり「僕は飢えてるんだ!死にかけてから食べたのは毒キノコ2つだけだぞ!」なんて無神経な事言って、お腹空いてるのは分かるけど本当にひどい態度。「じゃあ自分でディメンターと戦えよ」「ケガしてなければそうするさ」「便利なもんだな」とハリー達がケンカしそうになると、ハーちゃんは何かに気付き「そうだわ!」と大声をあげて2人を黙らせ、ハリーにロケットをはずさせると急に体が軽く楽になる。
記憶は失ってないからホークラックスに取り憑かれてはないけど、ハリーはキズもよけい痛むし、身に付けてる人は憂鬱と不安を感じたり何か影響を受けるようなのです!無くしたり盗まれないように身に付けておくけど、付けてる時間が長くなり過ぎないよう1日交代で付ける事に。ハーちゃんは冷静です。よく気づいたな~。身に付けてる間影響されるなんてロード・オブ・ザ・リングの指輪みたいですね。
次に移動した人里離れた農場で卵とパンを手に入れた時「鶏小屋にお金を置いて来なくても盗んだ事にならないわよね?」とこんな状況でも律儀なハーちゃんが可愛いです(笑)
お腹がいっぱいなら言い争いも忘れリラックスして笑いあえる分かり易い3人だけど、空腹は口論と憂鬱の原因に。ハリーはダーズリー家で空腹に苦しむのは慣れてたし、ハーちゃんも食べ物をあさっても野いちごや干からびたビスケットしかなくても少し気短になったり押し黙る位で理性的に持ちこたえたけど、お母さんやホグワーツから1日3食美味しい食事を貰える事に慣れっこのロンは、空腹だと理性を欠いて怒りっぽくなり、しかもロケットを身に付ける順番も重なると更に無愛想で不愉快に。ハーちゃんてば食べれるキノコの見分け方が上達しちゃってる位なのに、食料調達に全然協力しないで文句ばかり言って「結局いつも私が料理するんじゃない。女の子だからなんだわ!」と怒ってます。
ホークラックス退治についてもハリーとハーちゃん任せきりで、2人も何も新しい情報が無いので同じ議論を繰り返すばかり。自分にとって意味のある崇高で神秘的な場所に隠したはずだとヴォルが過ごした場所を検討してみるけど、育った孤児院は重要視してないだろうし、ハリーはホグワーツじゃないかと思うけどハーちゃんはそれならダンブルドアが見つけたはずと言うし、卒業後に勤めたボージンアンドバークスは闇の魔術に詳しくみつかる可能性が高いから違うだろうし、力を失った後逃げたアルバニアはロンが「国中探すのに午後一杯はかかるな」なんて嫌味を言うし。
無計画な旅が数日になり数週間になると、ロンは失望を隠さなくなり、ハーちゃんさえハリーのリーダーシップに疑問を持ち始めたようでこっそり2人で話してたりして嫌な雰囲気に・・・。
そうなんですよね、ダンブルドアが在り処を推理して退治した過程を思うと、他のホークラックス退治だけで後7冊本が書けちゃうんじゃないかって程大変そうなのに、他のホークラックスが何なのか、どこにあるのか何の手がかりも無いんですよね。
空腹でイライラしたりとても基本的な事で苦労しながら、こんな地味~な旅を続けなくてはならないとは!どんどん手がかりが出て来て推理がひらめいて鮮やかに解決してヴォルを倒すなんて訳にはいかないだろうとは思ってたし、この空をつかむ感じが成し遂げなくてはならない事の大きさと難しさにリアリティを増したりもしてますが、本当に残りのページ数で物語終るんだろうかとさえ感じました・・・。
テントの外で物音がして伸び耳で聞いてみると、逃亡中に出会った男達が一緒に食事しながら話をしてます。グリップフックなどゴブリン達は魔法使いの戦争は自分達とは関係無いとどちらにつく気もないし、屋敷しもべじゃないからヴォル達の命令は聞きたくないけど、拒否すれば命が危険だから逃げてるらしい。トンクスのパパテッドもマグル生まれなので純血の家族の安全のために一人逃げてるようです。そしてディーン・トーマスもいます!まだ子供の時にお父さんが去ったから血統が証明できなくて逃げてるみたい。彼もお父さんがいなかったんですね。ハリー・ポッターはどこにいるんだという話になると、「僕はハリーを知ってる。彼が選ばれた男の子だと思う。」とハリーを全面的に信じてくれてます。ジニーの彼氏だったしハリーとは恋敵だったのにディーンてばいいやつですね;
テッドは日刊預言者新聞より最近はクィブラーの方が気違い地味た事ばかりでなく真実が載ってると勧めてます。ルナパパは誌上で、例のあの人に反旗を翻す者は何にも優先してハリー・ポッターを支持せよと書いてくれてるみたいです!
グリップフックはホグワーツでジニー達が校長室からグリフィンドールの剣を盗み出そうとしたので、剣はグリンゴッツに移されたとビルから聞いたが、実はその剣はゴブリンが鍛えた本物ではなく魔法使いが作った偽物で、唯一できる復讐として、あえてデスイーター達には教えずに出て来てやったと笑ってます。
テッドが心配して「盗もうとした子達は大丈夫なんだろ?つまりウィーズリーの子供達が更に負傷する必要ないだろ?」と聞くけど、深刻な負傷はしてないだろうというだけで正確なところが分からないので、彼らが去ると、フィニアス・ナイジェラスの肖像画に彼を呼び出し、ジニーやネビル、ルーナが磔の呪いでもされたんじゃと心配して聞くけど、スネイプは罰として禁じられた森でのハグリッドの手伝いを命じただけのようです。スネイプはやっぱり味方なんでしょうか・・・。
そして最後に剣を見たのはいつか聞いてみると・・・ダンブルドアが指輪を破壊するのに使った時だと!バジリスクの毒が染み込んだグリフィンドールの剣にはホークラックスを破壊する力があったのです!!
意味がわかってないフィニアスは、都合の良い事にそんなどうでもいい事多忙なスネイプ先生には話してないですって。ダンブルドアはロケットを壊す為にまだハリーにくれていなかったんだ、彼らがハリーに渡さないと分かっててコピーを作って飾り本物は隠しておいたんだ、本物はどこだろう!2人が大興奮で意見を求めたのに、ロンはつまはじきされたように感じたのか「君たちの楽しい一時を邪魔しないよ。」なんて言って意地悪でらしくない態度。
ロンが恐れていた事をついに言おうとしてる気がして、喜びが不安に一転するハリー。外では雨が降り始め、激しくなるにつれハリーとロンの言い争いもエスカレート。「何が問題なのか言えよ」「腕を引き裂かれ食べ物もなく夜は凍えても数週間後には何かを成し遂げてると思ってた。」「君はどんな旅だか分かって来てると思ってた。」「僕もそう思ってたよ。」「じゃ何を期待してたんだ。5つ星ホテルに泊まって、毎日ホークラックスがみつかって、クリスマスにはママのもとに帰れると思ってたのか?」「僕らは君が何をしてるか分かってると思ってたんだ。ダンブルドアが君に何をすべきか話してて君はちゃんとした計画を持ってると。」「がっかりさせて悪かったね、僕は最初からダンブルドアから聞いた事は全て君達に話しただろ。」ハーちゃんが「ロケットを外してロン!1日中付けてた時以外あなたこんな事言わなかったわ。」と言うけど、怒ってるハリーは言い訳を与えたくなくて「そんな事ないさ。君達が僕に隠れて話してたのを気付いてないとでも思ってるのか?こんな事考えてると感じてないとでも?」と言い出し、ハーちゃんが否定しようとすると「嘘つくな!君だってがっかりしたと言ってたじゃないか。」と怒るロン。「そんな風に言ってないわ。ハリー私言ってないわ!」と泣き出すハーちゃん・・・。
ロンはテッドの言葉を聞きとがめ、ウィーズリー家の子供達に更なる犠牲者が出てるんじゃないかと恐怖にかられてたようで、気付いたハーちゃんがビルやジョージが負傷したのは知れ渡ってるしロンも病気で寝てる事になってるからそれを言っただけよと言うけど、「君達の両親は安全な所にいるじゃないか!」「僕の両親は死んだ!」「僕の両親だってそうなってもおかしくない!」「じゃあ帰れよ、ママがごちそう作ってくれるさ。」と更にカッとなって杖を持ち出すので慌てて2人の間に守りのシールドを作るハーちゃん。ハリーのロンへの憎しみは膨れ上がり、2人の間の何かが崩れ去ってしまった・・・。3人の仲がこんな風になってしまうなんて!(iДi)
ハリーが「ホークラックスを置いていけ」と言うとロンはロケットを投げ捨てる。「君はどうするんだ」「どういう意味?」「残るのか、どうするんだ?」「ええ残るわ、私達ハリーと行くって助けるって言ったじゃない。」「わかった、君はハリーを選ぶんだな。」「ロン違うわ、お願い戻って、戻って!」ハーちゃんの必死の説得と懇願にもかかわらずロンはテントを出て行ってしまい、追いかけたハーちゃんがロンの名を呼ぶ泣き声が聞こえるばかり・・・。
数分後びしょぬれで戻ってきて「彼、い、行っちゃった。姿くらまししちゃった!」とイスになだれこみ体を丸めて泣き出すハーちゃん!ハリーは呆然としてホークラックスを拾って首にかけ、ロンのベッドから毛布をハーちゃんに放ると自分のベッドで雨の音を聞きながら暗い天井を見つめた・・・。
どうして~~~~~~!!
大好きなロンが出てってしまうなんて!大切な仲間が欠けてしまうなんて!一時的な試練ならいいけど、この先ずっと2人だけで戦いを進めなければならないの?!
分かり易くて人間臭いのはロンの良い所だけど素直で単純な分心を惑わそうとするものに懐柔されやすいのでしょうか。ホークラックスの影響を一番受けてたようだし、それさえ無ければここまで理性を欠いた状態にならなかっただろうに・・・。
読み終わってあまりにもショックで悲しすぎて呆然としてしまいました・・・。
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