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Harry Potter Cafe

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ハリー・ポッターシリーズの各作品について自由に語り合うCafeです♪
                    by百味ビーンズ

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原書7巻/死の秘宝 第34章

2007/10/23(Tue)12:12

原書7巻「Harry Potter and the Deathly Hallows」(ハリー・ポッターと死の秘宝)第34章までの感想スレッド。
7巻第34章までについてコメント可です。

※百味ビーンズの感想に含まれるタイトル和訳及び内容の解釈は百味ビーンズ独自のものですので、間違っている可能性もあります。ご了承ください。

■第34章 The Forest Again(ふたたび森へ)
ついに真実が。勝利の秘訣を学んだのだと思った部屋の床に横たわり、ハリーは自分は生き延びる事を想定されてはいなかったのだとついに理解した。彼のなすべき事は出迎える死に向って大人しく歩いてゆく事だった。彼はヴォルデモートの残された命綱であり、ついにヴォルの進路に身を投じる時防御のために杖を掲げる事もなく、その終焉は明確で、ゴドリックの谷でなされた仕事は終わりを遂げるのだ。
neither would live, neither could survive.(どちらも生きられない、どちらも生き残れない。)もともとの予言の言葉はneither can live while the other survives.(一方が生きるかぎり、他方は生きられぬ。)でしたが、ハリーは、この予言の意味は一方を倒すためにはどちらも生き残れないという事だったのかと感じているのでしょうか・・・。
すぐに止まる運命なのに心臓は激しく鼓動してる、残された時間はどの位なのか、死ぬって痛いんだろうか、初めて激しい死の恐怖に襲われるハリー。これまで何度も危うく死を免れながら本当には考えた事がなかった。常に死の恐怖より生きる意志の方がはるかに上回っていたのだ。だがヴォルから逃げる事など思い浮かびもしなかった。終ったのだ、彼には分かっていた、残された事はただ死ぬ事だけだった。
プリベット通り4番地から旅立った夏の夜、優れた不死鳥の尾羽根の杖が彼を救った時に死ねればよかったのに!ヘドウィグのように何が起こったのかも分からないほどあっという間に!愛する者を救うために杖の前に身を投げ出せればよかったのに・・・今や両親の死さえ羨ましいかった。この無情な自身の運命への道のりは別の勇気を必要とした。
ダンブルドアの裏切りなどほとんど何でもなかった。ハリーが愚かでこれまで気付かなかっただけで、もっと大きな計画があったのだ。ダンブルドアはホークラックスを破壊する仕事を残し、ハリーは素直にヴォルだけでなく自身が生きるための頼みの綱を断ち続けてきたのだ。なんとすっきりした見事な計画、他の命を無駄にせず、殺される事の決まった少年に危険な仕事を与え、その死は災難ではなくヴォルに対する打撃になるのだ。そしてダンブルドアはヴォルと同じくそれが自身の死であってもハリーが逃げない事を、他の誰かが自分のために犠牲になるのは耐えられない事をわかっていた。だがダンブルドアは彼を過大評価していた。失敗したのだ、蛇がまだ残っている。ハリーの死後もヴォルをこの世に結びつけるホークラックスが1つ残っている。
その仕事は誰かがやってくれなくては・・・ロンもハーマイオニーももちろん必要な事はわかってる・・・だからダンブルドアは他の2人にも打ち明けるよう言ったのだ・・・彼が少し早くその運命を遂げる事になっても彼らが戦いを続けられるように・・・。冷たい窓に雨が打ちつけるように、これらの考えが死ななければならないという疑いようのない真実の上に降り注いだ。僕は死ななければならない。終わらせなければ。ロンとハーちゃんがずっと遠くに、ずっと前に引き離されたように感じた。別れも言わず、説明もしないと決めていた。17歳の誕生日にもらった時計を見ると後30分程しかなかった。
ハリーは立ちあがり、振りかえりもせず部屋を後にした。どこかにほんの少し気付いてもらいたい、止めてもらいたいという気持があったかもしれないが、透明マントは完璧に彼を覆い隠していた。玄関ホールにたどり着くと、ネビルがコリン・クリービーの遺体を運んで来た。未成年なのに一緒に戦おうとこっそり戻ってきてたんですね。こんな幼い子までが犠牲に・・・。
オリバー・ウッドが彼を大広間に運んで行くと、ネビルは涙をぬぐい他の遺体を捜しに行った。ハリーが大広間の入り口を振りかえると多くの人が動きまわり助け合っていたが、愛した人達は見えなかった、ハーちゃんも、ロンも、ジニーも、他のウィーズリー家の皆も、ルーナも・・・。残された時間、彼らを一目見ていられたらと思ったが、もしそうだったら彼らから目を離す強さを持てるだろうか?これで良かったんだ。死にゆく時に愛する人達に別れを言う事も許されないなんて(泣)
外に出ると、どこからともなく湧いてきた考えが確信に変わり、ハリーは透明マントを脱いでネビルに話しかける。「びっくりした、ハリー、心臓マヒ起こすとこだよ!1人でどこに行くの?」「全て計画の一部なんだ。僕はやらなきゃならない事が。聞いてネビル・・・」「ハリー!まさか自分の身柄を引き渡そうなんて考えてないよね?」「いや・・・もちろん違う・・・他の事だ。でもしばらく姿を隠すかも。ナギニと呼ばれるヴォルデモートの大きな蛇を知ってるだろ?殺さなきゃならない。ロンとハーマイオニーは分かってるけど、もし彼らが・・・」恐ろしい可能性に言葉につまるハリー。でも戦い続ける者を残すのは重要な事だ。ダンブルドアのように冷静にならなくては。彼はホークラックスについて知る者を3人残して死んだ。今度はネビルがハリーにかわり、3人秘密を知る者を残さなければ。
「もし彼らが忙しくて、君に機会があったら蛇を殺してくれ。」「わかったよ、ハリー。君は大丈夫?」「大丈夫だよ、ありがとう、ネビル。」だがネビルは立ち去ろうとするハリーの手を掴む。「僕らは皆戦い続けるつもりだ、わかってるだろ?」「ああ・・・」その言葉に息の詰まるような思いは消え、ハリーは言葉を続けられなかった。ネビルは気付かずにハリーの肩を叩くと他の遺体を捜しに行った。ネビルって本当にいいやつですね(T_T)彼を信頼してるからこそハリーは残された仕事を託したのでしょうね・・・。
透明マントを着て歩き続けるとすぐそばにジニーがいて傷ついた少女に優しく話しかけていた。ハリーは大声で叫びたかった、彼がそこにいる事を、どこに行こうとしてるのかをジニーに知ってもらいたかった。止めて欲しかった、引き戻され家に送り返されたかった・・・だが彼は家にいた。ホグワーツこそが彼の最初の最高の家だった。ハリー、ヴォル、スネイプ、見捨てられた少年達は皆この場所こそが家だったのだ・・・。ハリーが必死に自分を奮い起こし歩き続けると、ジニーは誰かが側を通る気配を感じて見まわしているようだったが、彼は話しかけもせず、振りかえりもしなかった。ジニーにだけは会えてよかった。でもどんなに話しかけたかった事でしょう、どんなに別れが辛かった事でしょう・・・。
明かりが消え静まりかえったハグリッドの小屋を目にして数々の思い出が甦る。暖炉にくべられたヤカン、ロックケーキ、巨大な幼虫、ハグリッドの大きなヒゲの顔、なめくじを吐くロン、ノーバートを助けるハーちゃん・・・。
森の端にたどり着くと、ディメンターの大群がいて安全に通り抜けられるかわからなかった。もう守護霊を出す力もない。自分の震えも止められないのだ。結局死ぬのはけして簡単じゃなかった。これ以上進めないと思うと同時に、進まなければならないとわかっていた。スニッチは掴まれ、長い試合は終わったのだ。
スニッチ?震える手でスニッチを取り出して見つめた。I open at the close.突然理解した。これがclose(終わり)なんだ。今がその時なんだ。ハリーはスニッチを唇に押し当て囁く。「僕は死のうとしている。」するとスニッチが開き、ドラコの杖を取り出して杖明かりをつけると、中に黒い石が、復活の石が!スニッチに刻まれた謎の言葉は、終わりの時に開くという意味だったのですね。そしてハリーが推理していた通り復活の石が本当に入っていたとは!
ハリーは考える事もなく理解できた。目を閉じて石を手に取り3回ひっくり返すと、愛情こもった笑顔を向けた人達が現れる。少しメガネの傾いたジェームズ、いつになく若々しくハンサムでポケットに手を突っ込みにっこりするシリウス、やはり若々しく親しんだ場所に戻れて嬉しそうなルーピン、そして誰よりもにっこりしたリリーは近づいてきて、彼にそっくりの緑の瞳で覗きこんだ。「あなたはとても勇敢だったわ。」ハリーは話す事もできず彼女にくぎ付けで、ずっと彼女を見ていたかった、それだけで十分だった。「もう少しだ、すぐだよ。僕らは・・・お前をとても誇りに思うよ。」ジェームズが言った。「痛いの?」思わず子供じみた質問をしてしまうハリーに「死ぬ事か?全然さ、眠りにつくよりあっという間で簡単さ。」と言うシリウス。ルーピンも言った。「そしてやつも早く終わらせたいはずさ。」「あなたは死んで欲しくなかった。ごめん、皆だけど・・・息子を持った直後に・・・リーマス、残念だ・・・」「私も残念だよ。私は彼を知る事はない・・・だが彼はなぜ私が死んだのか知るだろう、そして理解してくれる事を願う。私は彼が幸せに暮らせる世界にしようとしたんだ。」
彼らが行けとは言わない事は分かっていた、それは彼自身の決断なのだ。「一緒にいてくれる?」と聞くとジェームズが言った。「最後の最後まで。」そしてシリウスが彼らはハリーの一部で他の人には見えない事を教えてくれた。「そばにいてね。」ハリーは母親に静かに言った。これまで数々の命がけの戦いを勇敢に切りぬけてきた彼だけど、死ぬのは痛い?と聞いたり、お母さんにそばにいてねと言ったりしてる様子に、ハリーはまだたった17歳の男の子じゃないかと思い出させられ、自分の運命にどれだけ打ちのめされ、怖がっている事だろうと本当に切なくなりました(:_;)
そしてハリーが出発すると彼らは取り囲み、守護霊のようにディメンターから守ってくれた。森の奥へ進みながらヴォルが正確にはどこにいるのかさっぱり分からなかったが、みつけられると確信していた。彼に寄り添いほとんど音もたてずに、ジェームズ、シリウス、ルーピン、リリーが歩き、彼らの存在が彼の勇気であり、1歩1歩踏み出せる理由だった。体と心は不思議に切り離され、自分の体を操縦しているのではなく、心は無意識に歩き続ける体の乗客のようだった。森の中を歩くにつれ、彼に寄り添う死は、城に戻って生きるよりずっとリアルなものになっていった。ロン、ハーちゃん、ジニー、その他全ての人達が、彼の命の終わりに、ヴォルに向ってよろめきながら進んでいくにつれてゴーストのように思えた・・・。
物音に気付いて立ち止まると、Yaxleyとドロホフも物音を聞いて、やつは透明マントを持ってるはずだと疑っていたが、動物の音か?と思いなおし、もうすぐ時間だ、やつは来ない、絶対来ると確信されてたから気分を害されるぞ、戻った方がいい、計画がどうなってるか確かめよう、と戻って行く。彼らについていけばたどり着けるとハリーは後を追う。すぐに明かりが見えてきて、彼らはかってアラゴグが住んでいた場所にいた。
デスイーター達や巨人達、フェンリール、打ちのめされ怯えた様子のルシウス、涙をため恐怖に満ちた表情のナルシッサ。全員の視線が集中するヴォルの背後にはナギニが。ドロホフがやつの気配はありませんと報告すると、一番近くにいたベラトリックスはヴォルに話しかけようとしたが静止されて黙り、崇拝し魅了された様子でみつめていた。「俺様はやつが来ると考えていた。やつは来ると予期していた。」誰もしゃべらない。投げ出されようとしている体から心臓が逃げようとしているかのように激しく鼓動しているハリーと同じ位彼らも恐れているようだ。汗ばんだ手で透明マントを脱ぐと、ローブの下に杖と一緒に詰め込んだ。戦うつもりもなかった。
「俺様は・・・間違っていたようだ。」「間違ってない。」奮い起こせる限りの力を出してできる限り大声で叫んだ。恐れていると気付かれたくなかった。復活の石が指から滑り落ちてしまい、両親、シリウス、ルーピンは消えてしまった。その瞬間ハリーはヴォルだけを感じた。2人きりだった。だがその錯覚はすぐに消え、巨人達は吼え、デスイーター達は立ち上がり、叫び声があがり、息をのむ者、笑う者さえいた。
ヴォルはその場から動かなかったが、焚き火だけをはさんで近づいてくるハリーをみつめていた。その時叫び声があがる。「ハリー!ダメだ!」振りかえると、木に縛り上げられたハグリッドが死に物狂いで暴れて叫んでいたが、デスイーターに静かにしろと杖の一振りで黙らされ、立ちあがったベラトリックスはヴォルとハリーを熱心にみつめていた。動いているのは炎と蛇だけ。ハリーは杖を取り出す気もなかった。ナギニは十分に防御されていて杖を向ければ先に50以上の呪いが飛んでくるだろう。
いまだ2人は見つめ合い、ヴォルは少し首をかしげ目の前の少年を注意深く調べ、奇妙に陰気な笑みを浮かべた。「ハリー・ポッター、生き残った男の子。」誰も動かない。皆が、全てが待っていた。ハグリッドはもがき、ベラは荒い息遣いをし、ハリーはなぜかジニーを思った、彼女の燃えるような眼差しを、その唇の感触を・・・。
ヴォルは杖を掲げ、好奇心旺盛な子供のように首をかしげたまま、続行すると何が起こるのか考えている。ハリーは赤い目を見返し、すぐに、あっという間に終わらせて欲しかった、持ちこたえている内に、制御を失い恐怖を暴かれる前に・・・。ハリーは口が動き、緑の閃光が放たれるのを見た、そして全てが消え去った。
ハグリッドが生きていたのは良かったけど、ハリーは本当に・・・?
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